女性のための医療相談掲示板【婦人科】
なかなか診察では聞きづらいことや、誰にも言えない些細なお悩みなど、どんなことでもお気軽にご相談ください。
診療や手術の合間に回答をさせていただいておりますので、ご回答が遅くなる場合もございます。
また、状況に応じて新規投稿を一時停止させていただくこともございます。
何卒ご理解を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
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はじめまして。
様々な方法で子宮内膜症に関する知識を深めようとしましたが、理解が難しい点があったため、ご指導いただきたく記載したいと考えました。よろしくお願いします。
私は20代前半の看護学生で、基礎的な知識は自分なりに学習してきたつもりです。
以前より、月経前症候群や月経痛の増強を自覚しておりました。かかりつけのレディースクリニックもあり、様々に相談するうちに、右卵巣の若干の癒着の可能性を指摘され、子宮内膜症予防のためルナベル内服を開始し、CA125の検査を行いました。
正直なところを申し上げますと、指摘されて以降は不安とショックが続いておりますが、選択した職業上よりしっかりと自身の身体と向き合うべきであると考えた結果こちらのサイトを拝見することとなりました。長くなり申し訳ありませんが、以下伺いたいことをまとめます。
1、偽妊娠状態であるにも関わらず、月経様消退出血が現れる、本来の月経と異なる原理について理解を深めたいです。また、子宮内膜増殖を抑制しているはずなのに、これまでの月経と同等以上の出血がみられる現状ですが、子宮内膜症の進行を防ぐことができているのでしょうか。
2、ルナベル服薬期間中の立ちくらみがこれまでに経験のない頻度で、これも副作用なのでしょうか?また、頭痛、イライラ、胸の張りが服薬3週目に経験のない状態でしたが、ルナベルを継続していけば、軽減されるのでしょうか?特に胸の張りは日常生活で階段昇降等でとても苦痛なのですが、対処がないと言われてしまいました。
3.子宮内膜症は手術以外は低用量ピルなど増強を予防するしか方法はないのでしょうか?自身の年齢を考えると正直、結婚と妊娠に関して不安で仕方ありません。不妊症になる可能性を考えてしまい、家族や恋人との関わり方に悩んでいます。
実は、かかりつけ医の先生は親しい友人の親御さんで、大変信頼のある方なのですが、学生の私が同年代のお母様に出産の相談までする勇気がありません。そして、検査結果を申し上げますと、CA125の数値は高かったものの正常範囲でした。まだ子宮内膜症ではなかったのです。国家試験を控えていることもあり、月経困難症の緩和と月経周期の調節の目的でルナベルの内服を継続することになりました。しかし、子宮内膜症ではなかったためか、いつまで内服を続けた方が良いのかというところも曖昧で、先の見通しが立たず不安が戻ってしまいました。経口避妊薬の長期服用はリスクも伴うと思います。22歳という自身の年齢もふまえつつ、どのような予防・治療等の方針としてどのような選択をすべきなのでしょうか?
また、両親や友人に相談もできず、一人では耐え兼ねご相談した次第です。
たまたま観たニュースでは、有名な方が子宮内膜症のため体調をみながらお仕事を調整しなければならない状況にあるということでした。一生お付き合いしていく疾患であることは理解していますが、悪化すれば私生活に支障があるのでしょうか?そもそもルナベルは長期間内服可能なお薬なのでしょうか?医学書の 出産が一番の緩和方法である という言葉が離れません。現状でどれほど不妊症になる可能性があるのだろうとふとした時に考えてしまいます。いつまで服薬すると良いのか、服薬に関して医師からはどちらでもよいとも言われてしまっています。そして、子どもを望むのであれば結婚を早期に考えたほうが良いのだろうか、というところもひとりで考えてしまうことがあります。学習するうちに極端に考えすぎてしまっているような気もしております、ぜひ正しい知識をご教授いただきたいです。
大変長くなってしまいました。正しく情報を共有していただきたい一心でした。私はもうすぐ大学卒業で、本当の意味で自分の身体と心に一人で向き合っていかなければならないのだと思っております。どうか、ご指導、ご支援、ご協力をよろしくお願いいたします。
役に立った! 0まず、シンプルに子宮内膜症という病気を理解しましょう。
全ての女性において、自然な月経を繰り返す事で発症、進行する病気であるという事です。なので自然な予防は妊娠、出産以外ありません。
そこで現代の女性においてピルで人工的な月経周期(消退出血)を起こす事が内膜を薄くし、出血量を減らす事につながり、予防になるのです。
質問1に対してですが、月経は排卵を伴い妊娠しなかった結果の出血です。なので、ピル服用による消退出血と違って量が多く出やすいので内膜症の進行を促す恐れがあります。ルナベルはピルの中でも出血量を減らしやすいタイプなので、最初の1シート目は仕方ないですからもうしばらく継続していけば徐々に減って来るでしょう。
質問2に対しては黄体ホルモン作用に伴うマイナートラブルです。当然ピル服用初期につきもので体には何も害はありませんので、3シート程度でどうなるか見るくらいの感覚で継続していて下さい。
質問3に対しては、ピルをきちんと服用してきた女性で内膜症を発症した方を僕の臨床経験上一人も見た事がありません。幸い明らかな内膜症ではない状況なのですから、入籍して命をかけて親になりたいと思える環境になるまで継続服用して下さいね。
そして、確実な避妊もピル以外信用するべきではありません。
ルナベルは保険薬なので避妊はうたっていませんが、確実な避妊も期待できます。ご自身の為にもうまく利用しましょう。
日本は残念ながら男女平等の意識の低い国です。
是非同じ医療従事者として、又女性の目線、立場からこの国の女性の為にも正しい知識を習得し、正しい情報提供が出来る様に頑張って勉強して下さいね。
望まれない命が沢山あり、結果中絶手術が未だにこんなに多く行われている先進国はどこにあるでしょう。
ピルを服用していれば内膜症を発症せずに、辛い不妊症になる事もなかったのに、その選択する権利すら教育の現場で与えてもらえなかった方々がこの国にはどれだけいる事でしょう。
不安に感じて服用する薬ではありません。服用していない事で不安になって下さい。
では、又何かあればご相談下さいね。
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皆様からいただいたご意見をもとに、より良い医療サービスを目指して参りますので、ぜひご協力をお願いいたします。院長先生、お返事をいただき誠にありがとうございました。
医療に従事する者でありながら、飛び交う情報に惑わされてしまっていたと反省しました。
安心してピル内服継続を選択することができます。
この選択できる権利がこの国の女性に少しでも広めていけるよう、正しい知識の習得に努め、女性のライフサイクル全般に寄り添っていけるよう励んでまいります。
ありがとうございました。
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